6/9(日) 日米現地事情生トーク「日米の住宅事情と暮らし方」のご報告

 6/9(日) 10時から12時、日米のさつき会から幅広く17名の参加をいただき、日米の住宅事情と暮らし方をメイントピックに、日米現地事情生トークを開催いたしました。


 まずは、在米生活の長いOGの鈴木由利子さんから、「暮らしの視点から:アメリカの住宅事情 – 住む家を決めるために知っておきたい事」をテーマにお話しをいただきました。ニューヨーク、コネチカット、マサチューセッツ、ニュージャージー州といった東海岸地域での移住に伴い住居の売買した実体験に基づき、住宅を所有しても臨機応変に売買していくのがごく当たり前な米国の身軽さがうかがえました。また、住宅は一生に一度の買い物という認識が高く新築を好む日本と比べ、米国では転職など人生の変化に合わせて住宅もステップアップしていくのが主流で、造りがしっかりしてきちんと手入れされている中古住宅の価値が高くキープされているというのが印象的でした。

 次に、インテリアデザインを専門にニューヨークで長年勤務されている坂江桃子さんから「プロの目から見た日米のインテリアデザインあれこれ」と題して、家に対する認識や求める機能の差の観点から日米の住宅の差異についてプレゼンをいただきました。アメリカの中産階級にとってキッチンは床の間のような客人に誇るもので、実際にはさほど料理をするわけではないからきれいにできている、と言うお話にはこれも一つの文化の違いを明確に示すものだと感じ、合点がいきました。一方で、日本の現在の住宅は戦後の大量供給経済政策の申し子であり、今後は視点を広げ、もう少し個人がリスクを取って良いすまいを創ろうと考えていく必要があるのではないかというご意見もいただきました。

 その後、ゲストとして、OBでアメリカ文化史の専門家で日本で同潤会住宅の保存にも携わる能登路雅子さんや、坂江さんの夫で工学部建築学科卒の写真家である玉木興陽さんも交え、自由歓談を行いました。滞米経験のある参加者も多く、今後アメリカで住宅を購入したい方へのアドバイスや、同じアメリカでもカリフォルニアや東海岸の中産階級層とは異なる世界が中西部にはあるとの指摘もあり、終始楽しくお話しできました。