4/13(土)同潤会住宅佐々木邸見学会開催報告


今回のイベントは、同潤会江古田分譲住宅佐々木邸という歴史的建造物(国の登録有形文化財)を、そこで幼少時を過ごされ現在は保存活動に携わる能登路雅子・東大名誉教授に案内いただくという、とても貴重な機会であった。当日は、会員14人、スタッフ5人、総勢19人の参加となった。
まずは丁寧に手入れされた庭の花々に癒されてから邸内に入る。最初の洋間で先生のおじいさまご夫妻のお写真や調度を拝見しているうちに、ここには家族の歴史(ファミリー・ヒストリー)が宿っていて、それがある種の”場のオーラ”を生み出しているのだと感じた。次いで広縁、和室、台所などを見学していると、とうの昔に解体された生家(庭付き和風平屋建築)の記憶が甦ってきた。それにつけても佐々木邸の保存状態の素晴らしさは驚異的である。見学の後、能登路先生にPowerPointを用いたプレゼンテーションをしていただき、同潤会江古田分譲住宅が多数現存した当時(当初の分譲戸数は30)のライフスタイルやご近所付き合い、佐々木邸を保存する意義と課題、同邸を活用した海外交流や懇親など、多岐にわたる有意義なお話を伺った。不思議なことに、椅子に座って同窓の方々と共にプレゼンテーションを拝聴しているうちに、いつしか学生時代に戻ったような心地よいデジャブに陥っていた。
実はさつき会のイベントへの参加は今回が初めてなのだが、参加者どうしが交流できるよう配慮されており、旧友と数十年ぶりに再会できたほか、高校や元勤務先の後輩と知り合えるなど、数々の嬉しい副産物があった。能登路先生とスタッフの方々に改めて厚く謝意を表したい。